1日2食健康法

第4章 これが疲れない食品だ


   玄米を食べる   重要度 ★★★★☆


 完全栄養食品というものがこの世にあるとすれば、玄米だけである。


 炭水化物、タンパク質、脂質に加え、ビタミン等の各種ミネラルがバランスよく含まれ、栄養のダイヤモンドといわれている。
 これは精米していないために残っているヌカと胚芽部分に、白米にはない栄養素を残しているためだ。したがって副食によってミネラルを補う必要がなくなる。極端な話、玄米と塩と水だけあれば、栄養失調で死ぬことはない。おそるべき食品である。


 玄米のよさは、豊富な栄養だけにとどまらない。
 なんといっても食べる量を減らせるというメリットがある。
 これはほかの主食よりもゆっくり消化されるため、わずかな量で満腹感を得られるからである。白米の3分の1の量ですむ。


 こう聞くといいことだらけのような玄米であるが、難点もある。
 消化が悪いので胃腸の弱い人には向かないことと、白米より炊くのに手間ひまがかかることだ。


 そもそも、現代人がコメを食べなくなった大きな理由として、パンや麺などの小麦食と比べて決定的に劣っている点がある。
 それは「炊かねばならない」ということ。
 パンなら3分も焼けば食べられるし、カップラーメンも、やはり3分。
 これが、ごはんを炊くとなると50分もかかる。おなかがすいてから炊飯したのでは間に合わない。そこで本当はごはんが食べたいのに「時間がないから、パスタでもゆでるか」ということになる。あわただしい現代人は、食品の質よりもスピード、手間よりも簡便さを選んでいるのだ。実に嘆かわしいことだ。


 白米を炊くことさえ手間なのに、まして慣れない玄米となれば、実践するのに抵抗がある人も多かろう。
 しかしここでまた常識を疑ってもらいたい。
 コメは、本当に炊かなければならない食品なのか?
 考えたこともないだろうが、考えてほしい。


 答えから先に言ってしまうと、これがノーなのだ。
 コメは、炊かなくても食べられる。
 否、炊かずに食べたほうが、体によいのである。
 これは、炊いたごはんはαでんぷんであるのに対し、生のコメはβでんぷんであるからだ。βでんぷんには消化酵素が働かず、大腸まで届いてから腸内細菌によって分解される。このときに酪酸が発生し腸管内のガン細胞を正常な細胞に戻してくれる。
 また炊いた玄米はアルカリ性に変質するのに対し、生の玄米は中性である。したがって胃がアルカリにかたむく心配もない。


 しかしコメをそのままボリボリというわけにもいかない。歯が丈夫ならそれでよいのであるが、さらに胃腸も強くなければいけない。
 そこで誰でも玄米を手軽に、しかもファーストフード並みの速さで食べられる方法を紹介しよう。
 用意するのはミルサーだ。
 ミルサーとは、乾物を粉末にする機械のこと。ミキサー機能とセットになっている商品が多い。持っていない人は今すぐ買うとよい。いちど使うと手放せなくなる、1日2食健康法の必需品だ。高機能なものにこしたことはないが、最安値のものでもひとり暮らしなら充分用は足りる。


 このミルサーで、玄米を粉にしてしまうのである。時間は、機種にもよるが0.5合を粉にするのに約1分。玄米をザルでふるってモミがらのカスを落としてからミルサーにかけるとよい。
 粉になったらナベに移し、玄米の量に対して水を3倍の分量加える。味付けとして塩を小さじ1。ほかに好みの調味料があればてきとうに入れる。あとは火をつけてかきまぜながら温める。ブツブツいい始めたらトロ火にし、さらに3分ほどかきまぜているとクリーム状になってくる。これで出来上がりだ。
 この玄米クリーム、その素朴な味わいがすこぶるおいしい。こんな簡単に、こんなおいしいものが作れていいのかと感動されること請け合いである。塩のかわりに、しょうゆや味噌を入れてもおいしい。気分で変えるとよいだろう。
 消化吸収もよく栄養満点。はっきりいって、最高の主食にしてカップラーメンより速くて安い、地上最強のファーストフードである。


 ちなみに味を重視するなら、火を止めてからさらに4〜5分蒸らすとよい。そのぶん でんぷんは α化するが、さらにおいしい玄米クリームになる。煮る前に1時間水につけておいたならなおよい。
 これだけでも充分おいしいが、ここへホールトマトを入れてくずしながらかきまぜればトマトリゾット風になるし、ごま油などを少量入れてもよい香りになる。きのうの残り物をぶち込んでもいいし、何を入れても合う万能フードだから時間があればいろいろ試してみるとよい。


 反対に味よりスピードというのなら、すでに述べたように、この玄米の粉、火を通さなくても食べられる。そのときは水の量をぐっと抑え、玄米全体に湿り気がおびる程度にする。おわんに玄米の粉、水、塩を加え、かきまぜるだけでできあがりだ。この場合は塩よりもハチミツで練って食べたほうがおいしい。そのとき水は使っても使わなくてもよい。
 この応用技として、弁当箱に玄米の粉末と塩を入れて携帯すれば、水さえ使える環境ならいつでもどこでも栄養満点の食事ができる。ハチミツを使うなら、水もいらない。長期の旅行や出張に便利だ。おにぎりと違って夏場でも悪くなる心配が全くない。しかも体にいいことこの上ないので体調を崩すこともなく仕事もバリバリはかどるだろう。


 この生の玄米粉や玄米クリームを常食すると、白米のごはんを食べていたときよりも明らかに体力が持続することに気が付くはずだ。睡眠時間さえ減らすことができる。人生成功の秘訣は玄米にありと言ってもまったく過言ではない。
 もちろん炊いた玄米でもよい。「ごはんを食べたー」という充足感が得たいなら、時間はかかるが炊いて食べればよいだろう。玄米の炊ける炊飯器や、圧力釜で炊けばよい。


 最後に、玄米を常食するさいの注意点もあげておかなければならない。
 ひとつは、生の玄米粉ばかりを食べると便通が悪くなること。これを防ぐには、ときどきは玄米クリームにするか、粉にせずそのままの玄米を炊いて食べるとよい。


 もうひとつの注意点は、玄米には胚芽部分に強いアクが含まれているということだ。玄米を食べるということは、にんじんや山菜でいえばアク抜きをしないで食べるのと同じことなので、一般的な食生活に玄米を取り入れた場合はかえって体を害する原因になる。このアクは1日2食法を実行することではじめて体外に排泄することが可能になる。
 ということは、逆に言えば1日3食の人が玄米を食べてはならないわけである。1日2食が身に付いて初めて、この最高の食品の恩恵を受けることができるのだ。



豆腐を食べる


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