1日2食健康法

第3章 これがあなたの体を疲れさせている食品だ


   肉をやめる   重要度 ★★★★☆


 ダイオキシンに汚染されているうえに、食品の質としても最低ランクを行くのが肉である。


 まずは、最も危険なダイオキシンのほうから見ていこう。
 草食動物である牛などは牧草を食べて育っているから、魚と違って食物連鎖は起きない。それなら食物連鎖によるダイオキシンの濃縮はなされていないと思うであろう。
 残念ながら、そうはいかない。
 現代の狂った食肉産業は、牛の飼料に、牛を使っているのだ。


 BSE(狂牛病)問題が大変な騒ぎであるが、BSEの原因はこの奇怪な飼料にある。
 肉骨粉(にくこっぷん)という言葉を聞いたことがあるだろう。これは、流通用としては使い物にならない牛や豚の肉片や、骨、目などの各器官を煮て油脂と分離させたものを粉末状に乾燥させたものである。
 「流通用としては使い物にならない」 というのは、頭部や内臓など食用にならずに捨てられる箇所というだけの意味ではない。
 病気のために処分された牛や豚も含まれる。


 最小面積で最大の効果を上げる現代の飼育場において、牛や豚、鶏の病気の発生率は異様に高い。日本においては2000年の時点で食肉用の豚の実に70%が何らかの病気にかかっている。(ちなみに病気になった豚も、まるごと一頭が処分されるのではなく、病変部位を切り落として、食べられる部分が流通する。そうしなければ商売にならない。)
 利益になるはずであった肉がゴミになったうえ、これを処理するとなればまたコストがかかる。この赤字を、何とかして黒字に転換する方法はないだろうか。
 そこで考え出されたのが、病気の牛や豚は肉骨粉にして、次の牛や豚の飼料にするという方法である。


 このために草食動物の牛にも食物連鎖が起きているのだ。しかも共食いによってである。
 BSEは食物連鎖により濃縮に濃縮が重ねられたダイオキシンが致死量に達し、脳細胞が破壊されてスポンジ状になったものである。それほどまでにダイオキシンを溜め込んだ牛の肉はもはや地下深くに埋めるほかないものなのであるが、われわれが食べる牛の飼料に使われてまたしても濃縮されるのだ。
 いまは規制が厳しくなったので、BSEに感染しているとハッキリした牛は肉骨粉にならないが、つい最近まではあたりまえのように肉骨粉にされていたし、いまでもBSEの所見がハッキリ出ていない牛なら問題なしとしているのであるから相当にダイオキシンを溜め込んだ牛もやはり肉骨粉となっているのである。


 BSEが今ほど問題になるずっと以前から肉骨粉によるダイオキシンの濃縮はなされてきたのだ。それが今や、これほど騒ぎが広がるほどダイオキシンの濃縮が進んだわけである。
 それなら肉骨粉をやめればよさそうなものだが、そんなことをしては現代の食肉産業は成り立たないのである。


 これでお分かりであろうが、われわれは 「安全ということになっている肉」 を食べているだけであって、「安全な肉」 を食べているのではない。
 このBSE、人間に感染しないかどうかの議論が、近年ことにやかましい。
 だがとっくにBSEは人間に発生している。といってもBSEという病名ではない。


 その病気は1920年に発見された。名前はクロイツフェルト・ヤコブ病。
 潜伏期間が非常に長く35年以上という記録もある。初期症状として集中力減退、言語障害、攻撃性の増加がみられる。体がしびれ、体の向きを変えようとすると倒れる。中程度になると、しびれ、けいれんがひどくなる。末期では、体が完全な植物状態になり、脳はスカスカのスポンジ状になって死に至る。これはBSEと全く同じ症状である。
 ダイオキシンは脳を破壊するという特徴を持つが、ヤコブ病と同様に脳を冒すアルツハイマーを引き起こしている犯人もダイオキシンである。
 地球に毒を流し続け、地上の王者のつもりで動物の肉をむさぼり続ける、恐るべき人間の自業自得である。


 とはいえ牛肉、豚肉、鶏肉は、魚ほど高濃度に汚染されているわけではない。汚染度は魚の200分の1程度である。これは魚の汚染度が度をこえて異常ということなのだが、ことダイオキシン汚染という観点からいえば魚よりは肉のほうが安全であるのは事実である。
 しかし肉が魚と異なるのは、たとえダイオキシンに汚染されていなくとも、食品の質という点で決定的に劣るということである。
 ガン、高血圧、糖尿病の原因になるということは今ではかなり知られており、例えばステーキ1キログラムにはタバコ600本分の発ガン物質(ベンゾピレン)が含まれている。


 さらに肉という食品は繊維が含まれていない致命的な欠陥食品である。
 繊維が含まれていないということは、便になりにくく、腸内に長時間滞留するということだ。36度の体温の中で長時間放置されれば、体の中であろうがお構いなしに肉は腐ってくる。腐敗した肉には悪玉菌が大量発生する。この悪玉菌が吸収され血液に侵入し、体の変調を起こすのだ。
 またこうした動物性タンパク質は人間のタンパク質組成とは異なる 「異種タンパク」 であるため、そのままのかたちでは吸収できない。いちどアミノ酸レベルまで分解されてから吸収され、そのあとで再度タンパク質に合成される。肉を食べるとこのようなややこしい手順を踏まざるを得ないので、それだけ体に負担がかかるのである。いうなれば、エネルギー源として非常に効率の悪い食品が肉なのである。


 しかもそんな質の悪い食品を食べるために、われわれは愛すべき牛や豚を虐殺しなければならないということを、ユメにも忘れてはならない。
 子供のころ、自分のステーキ皿に乗せられている肉片が、かつては動いていた牛であったことを知って愕然としたことがないだろうか。大人になって、なぜこのことを忘れてしまうのか。いつのまにか無慈悲な鬼になったのか、それとも生きていくには仕方がないとあきらめたのか。だが人間が肉を食べたいと思うのは人間の勝手な了見であり、それを牛や豚が賛同しているわけがない。よく牛肉の宣伝などで、牛がウエイトレス風にニコニコ笑ってわれわれにステーキを差し出しているイラストなどを見るが、よくもこんな残酷な宣伝を思い付くものだと、人間の恐ろしさに寒気を覚えずにおれない。こんなことは牛の立場に立てばすぐにも分かることなのだ。もしわれわれが自分の子供を切り身にされて、牛たちに振る舞われたらどうだろう。そして牛たちへのCMに人間の子が起用され、「おいしい人間の肉だよ!」などとカメラの前で笑うよう強要されたらどうであろう。


 肉を食べるという、あたりまえになってしまって気にもかけない行為は、来る日も来る日も笑顔で殺戮を楽しむわれわれ人間の許されない悪業なのだ。
 そしてここへきてBSEの大流行。
 「肉を食べるな」
 そう自然は警告しているのではなかろうか。


 われわれがそれでも肉を食べるのは、なんといっても、肉を食べなければ栄養のバランスがとれないとカチカチに信じているからである。
 これは西洋栄養学がわれわれにもたらした最悪の罪だ。
 人間は肉など食べなくても生きていけるのである。
 いや、なるべく肉を食べないほうが、肉を食べるよりも健康的に生きていけるのだ。
 タンパク質を取らなくていいと言ってるのではない。タンパク質は体に欠くべからざる栄養素である。だが質の良いタンパク質と、悪いタンパク質があるのだ。
 すなわち動物性タンパク質をやめて、植物性タンパク質に切り替えたほうがよいのである。


 タンパク質をとろうと思えば肉を食べる必要は全くなく、豆料理をたくさん作ればよい。料理が面倒くさければ豆腐でよい。というより、豆腐こそ人間にとって最高のタンパク源である。豆腐の原料である大豆は良質のタンパク質に富み畑の肉といわれている。大豆は消化がわるいことが唯一の欠点であるが、豆腐は抜群の吸収率を持ちその欠点を克服した先人の知恵による理想的食品である。
 植物性タンパク質によって作られた筋肉は、動物性のものよりも瞬間的な力は落ちるが持久力で勝る。筋肉繊維の強さは動物性のものよりも強く、肉離れなどを起こしにくい。筋肉がつく早さでは植物性のほうが劣る。したがって肉料理を豆料理に切り替えた直後は一時的に筋肉が落ちる。だがこれは3ヵ月くらいで戻り始めるので問題ない。


 さらに植物性タンパク質ならば、先に挙げたようなガン、高血圧、糖尿病の心配がない。ダイオキシンが食物連鎖で濃縮されていることもないので痴呆症の危険も減る。
 そして経済的にずいぶん安くつく。単価も肉より豆のほうが安上がりであるし、肉と違って豆は腐敗する心配がない。せっかく買っておいた肉が腐ってしまって捨てたことがある人は多いだろう。そんなムダも一切なくなる。「冷蔵庫の肉が腐りそうだから、なにかに使わなきゃ」 とよけいなレシピを追加する必要もない。


 これだけ好条件がそろって、肉をやめない手はない。菜食主義は、まだまだ社会的認知が浅く、偏見の目で見られることがある。しかしこれで長寿と健康が手に入るのであるから、その代償としては安いものではなかろうか。




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推薦図書
新版 ぼくが肉を食べないわけ ピーター コックス (著), Peter Cox (原著), 浦和 かおる (翻訳) 価格: ¥2,310 (税込)
おすすめ ★★★★★

 肉食批判書の金字塔。菜食主義者の聖典ともいうべき古典的名著 『ぼくが肉を食べないわけ』 が、最新データを引っさげて10年ぶりに改訂された。
「この本を一読すると、あなたの生活はおそらく変わると思う。それどころか、生命を救うことにさえなるかもしれない。

なぜか? この章の内容は、肉を食べている人に知られることが禁じられているからである。秘密にされているのではなく、禁止されているのである。誰によって? それは、商業利益によってであり、国の政策によってであり、基本的に自己そのものを考え違いしている社会によってである」―― 肉がどれほど体に悪いかというだけでなく、私たちが肉を食べるという行為が、いかに地球資源を浪費しているか、環境破壊に直結しているか、1頭の牛が、われわれの食卓に運ばれる過程のいかに残酷であることかに言及していて示唆に富み、肉食産業がどのようにしてわれわれをあざむいているかにまで微に入り細をうがって暴露している。
 私たちが肉を食べるという行為は、一体いかなることなのか? 今まで考えてもいなかった驚愕の事実が次々と突きつけられる。誤解していた知識がガラガラと崩されていく。
 文章も思索的でブラックユーモアにあふれ、実に考えさせられる。肉を食べるということを正義のように力説する現代栄養学の風潮を少しでもおかしいと感じるならば、この本はあなたのために書かれた本である。肉に関することに限らず、なぜ狂った健康常識がこうも堂々とまかり通っているのか、この本を一読すればその恐るべきカラクリが理解できよう。肉を食べないことに対して不安がある人も、この現実を知ったなら、肉を食べていることの方がよほど不安であることを知って唖然とするに違いない。  購入する

 

おすすめ食品


 それでもどうしても肉を食べなければならないと主張する人たちは、必ずといっていいほどビタミンBのことをヤリ玉にあげる。
 彼らの意見はこうだ。
「なるほど菜食主義は健康にいいのかもしれないが、ひとつだけ欠点がある。それはビタミンBが欠乏することである。ビタミンBは炭水化物を利用するときに必要な物質で、これが欠乏するとどれだけ栄養をとってもそれが使われず、うつ状態になったり、疲労感を感じるようになる。動物愛護の精神は立派かもしれないが、私たちはイキイキとした生活を送るためにどうしても肉食は欠かせないのである」と。
 なるほど確かに、玄米菜食ではビタミンB群は不足しがちだ。これはたしかに致命的な欠陥かもしれない。
 そこで、医学博士・甲田光雄先生はスピルリナと、ビール酵母(エビオス)を利用することを薦めている。これらはビタミンB群をバランスよく含んでいるためである。(他にもさまざまなミネラル分を豊富に含む)
 いずれも化学的なサプリメント錠剤とは違い、天然成分を用いた栄養補助食品・医薬品であるから安心して飲用できる。
 ビール酵母は有名なので詳しい説明は省略するが、スピルリナはご存じない人が多いかもしれない。クロレラと似たようなものといえば分かりやすいだろうか。
 スピルリナは(極めて大ざっぱに、ひとことで言うと)クロレラの栄養をパワーアップさせて吸収力を10倍よくしたものである。
 ここだけの話、食生活が多少乱れても、スピルリナかビール酵母、もしくは両方を飲んでいればそれほどだるさを感じない。
 成分は両方とも微妙に違うから、こだわる人は両方ともそろえておくといい。
 ビタミンBが足りないことだけが菜食の欠点というならば、この2つさえあれば菜食主義には何の問題もないことになる。

          





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