魚をやめる

 肉よりは体によさそうな魚はどうであろうか。
 一般的には魚は健康食ということになっている。しかし肉と同様に食物繊維がなく、腐った便を体内に滞留させる原因となってしまう。この問題を栄養学は知らないのだ。だから 「魚を食べるとアタマがよくなる」 と、ものごとの一面しか見ないノンキな宣伝がなされるのである。

 もうひとつ魚には問題点がある。海洋汚染の影響を受けていることだ。
 産業革命以降、人類は海に大量の化学物質をたれ流してきた。それを魚たちはせっせと回収し、それを食べる人類にお返ししている。

 たとえばダイオキシンひとつとっても、水産庁が2004年にとったデータでは国産天然シロザケに1グラムあたり0.15ピコグラムTEQ、国産天然クロマグロに0.2ピコグラムTEQ含まれていた。養殖になると数値がはね上がり、ノルウェーの養殖サケは国産天然シロザケの12倍、地中海で養殖されたマグロは国産天然マグロの50倍のダイオキシンが検出された。
 ダイオキシンには有害説、無害説ともにあるが、有害とする説をあげると、細胞への破壊作用があり、ガン、アトピー、アルツハイマー等の原因となることが疑われている。

 食物連鎖によって、このダイオキシンは濃縮されていく。
 小型魚から、中型魚へ。中型魚から、大型魚へ。1匹の魚が生涯のうちに1匹の魚を食べるわけではない。中型魚なら何千、何万という小魚を食べる。何千、何万という小魚のダイオキシンが、1匹の中型魚の体に濃縮されるのだ。そしてまた何千、何万という中型魚のダイオキシンが、1匹の大型魚の体に濃縮される。大型魚といって分かりにくければ、マグロである。日本人が特に大好きなマグロは、じつにダイオキシンの最終濃縮地点といってよい。

 大型魚でなくとも、養殖魚など湾内の魚も高濃度に汚染されている。メザシ、ホッケ、イワシ、タイ、シシャモ、ウナギがそうだ。
 カニ、貝類も外敵に襲われることがないため長生きするから、小さくても汚染物質を多くためこんでいる。
 ほとんどの魚介類は、もはや人間が、いや、生き物が口にするべきものではなくなっているのである。

 まことに残念なことである。しかし政府が規制しない以上、自分で自分の食事を規制するしかない。

 魚を食べるなら、小魚や煮干しにしよう。イワシも煮干しやジャコくらいの小型なら食物連鎖の影響をあまり受けていないため、危険度はいくらか落ちる。
 小魚ばかりではいやだというなら、サンマ、タラが比較的汚染度が少ない。少ないといってもダイオキシンを含んでいることには違いはない。どうしても魚が食べたいとき、たまに食べるようにしよう。

 さいごに、明るい話題をひとつだけ述べておくと、1日2食を徹底すれば、体は残留毒素を完全に排泄しようとする。ダイオキシンの排泄もうながされる。結局は少食が身を守るのである。


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