はじめに ~なぜこんなに疲れているのか?
現代は空前の慢性疲労ブームだ。
朝起きられない。いつも体が重い。日中の大半は睡魔と戦っている。年寄りの話ではない。10代、20代からこのような症状を訴える人が急増している。
食事に気をつけているにも関わらずだ。3食キチンと食べ、栄養にも配慮している。なるべく多品目の食品を摂取するよう努めている。
実はそれが慢性疲労の原因なのだといったら驚くであろうか。
むりもない。これは人類がいま初めてぶち当たった問題だからだ。
薬に副作用があるように、食べるという行為にも功の面と罪の面がある。この罪の面を、現代人はまだほとんど知らない。
ひと昔まえまでは、食べるものそのものがなかったために、食べることの罪の面などは出てくるべくもなかった。
ところが、戦後この状況は一変した。日本は、かつて人類が経験したことのない、食べ物にあふれ返った「豊かな」時代を迎えた。
そしてたちまち罪の面が立ち現れた。
ガンの急増、糖尿病など生活習慣病の増加、現代医学をもってしても原因不明の難病・奇病の出現、そして、老若男女を問わない日本列島あげての異常な慢性疲労の蔓延(まんえん)。
これらはすべて食べ物が豊富になったのを境に起こっている。
私たちは、食べ物は健康にとってプラスにこそなれ、マイナスのことが起きるとはゆめにも思っていない。「ガッテン!」などのテレビ番組に代表されるように、食品のプラスの面ばかり強調せられ、おそるべきマイナス部分についてはいっさい触れられない。
これだけ食べ物が氾濫すれば、私たちは栄養失調になろうと思ってもなれるものではない。それなのに、いまだ戦後まもないころのように、やれタンパク質の補給にはこれを食べなければ、ビタミンもこれとこれをとらなければと血まなこになっている。そして極力、多品目の食品をバランスよくとろう、3食しっかり食べようと懸命の努力をしている。
だから、体調が悪いのだ。
なぜ、1日3食の食習慣が体に悪いのか。
これから解説していこう。
